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ギリシャ神話

†オリュンポス神々の伝説†
・・・愛の神話・・・

アポロン編

コロニスダプネキュパリッソスヒュアキントスマルペッサキュレネカッサンドラクレウサ

コロニス
テッサリアの国ラリッサ領主プレギュアスの娘コロニスアポロンの寵愛を受けていた。 それがうれしかったのかうっとおしかったのかいろいろな説があるが、ともかくアポロンは忙しい合間を縫って彼女に会いに行った。 また1羽の真っ白なカラスを文使いとして与えた。そう、まだカラスは真っ白な鳥だったのですよ。
アポロンは毎日人々の祈りを聞き、色んな女を品定めし、人々の願い事を聞き、色んな女を品定めし、人々の泣き言を聞き、 色んな女を品定めし、人々の信託をして、色んな女を品定めし、とにかく多忙な日々を送りなかなかコロニスに会いに行くことが できなかった。
ある日カラスがコロニスの元へ飛んでいくと、なんと彼女は若い男といちゃついておるではないか。 その男はアルカディアのカイネウスの兄弟イスキュスというものだった。急いでアポロンの元へ戻り、事を告げるカラス。
「親分、てーへんだ。コロニスの浮気現場ハケーン!!(・∋・)」
「なにぃ!?ΣΣ(゜Д ゜;)コロニスが浮気だとぉ!?」
真に受けたアポロンは頭に血がのぼり、確かめもせずに得意の弓矢で彼女の胸を突き刺してしまう。 アルテミスに撃たせたという説もある。それはともかくカラスはどんな現場を見たのだろうか、浮気の真偽は定かではない。 死ぬ直前にコロニスはこんなことを口走ったという。
アポロンさま。あなたのお計らいに私はとやかく言いませんが、お腹の中にあなたの子供が宿っています。1本の矢で2つの命が失うとは ・・・ガクッ。」
はと我に帰るアポロン。なんて早まったことをしてしまったんだ。あのカラスの言うことを真に受けて、真偽も確かめずに殺してしまった。
「俺にヤキモチ焼かせたかっただけかもしれないんだぞ!このヴァカカラスめ!」
「親分そりゃないっすよー。(・∋・)」
「その顔文字が気にいらねーっ!」
とカラスは、とばっちりを受けてコロニスの喪に一生服すという使命が与えられたため真っ黒にされてしまった。

アポロンコロニスの腹の中から子供を取り出し、 ペリオンに住むケンタウロスのケイロンに育児をゆだねた。
子供はアスクレピオス名づけられ医学の道を歩んだ。 (詳しくはペリエレスの子孫の章アスクレピオスの項で。)

ダプネ
アポロンがピュトンを退治した後、たまたま天上でエロスに出くわした。 ちょうど得意の弓矢で退治したばかりで鼻高々なアポロンは子供がかわいい弓矢を持っているのを見て鼻息荒くなる。
「おいおい、それは大人の道具だぞ。子供にはまだ早いんだよ。ケガしないうちにしまっときな。」
するとエロス
「この弓矢はね、傷つけるといっても単に血を流す物じゃない。心を温かくすることも引き裂くことも可能なんだ。」
「じゃあ俺にやってみな。」
「そんなこと言うと後悔すると思うよ、お兄さん。」
まさか本気で信じてはいなかったアポロンだが、後に大痛手をくらうことになる。
すっかりそんな出来事を忘れ、アドメトスの元で働いているときだった。 エロスは鉛の矢をペネイオス河神の娘「月桂樹」ダプネに向けて狙い打ち、 今度は黄金の矢でアポロンの心臓を見事貫いた。
さあ、大変だ。娘を見る途端どきどきと鼓動が止まらない。1つに束ねた亜麻色の髪の毛から覗く白いうなじ。 ミニスカートから伸びた細い足がアポロンの欲情をさらにかき立てる。この胸の高鳴りはなに?もしかしてこれが恋ってやつ? ああ、ダプネタン。(*´д`*)ハァハァ
ところで、ダプネは年頃の女であるにもかかわらず多くの求婚者を拒んでいた。 アルテミスのごとく一生清らかな処女でいることを望んでいたのだ。そんな彼女に鉛の矢。もうダメ押しである。
アポロンの目は血走り、すごい形相で追いかけてくる。目なんかイっちゃってる。 ダプネは恐怖におののきひたすら逃げる、逃げる、逃げる!
「待ってくれ、かわいい人。僕は決して悪い人じゃないんだ。なんと僕は弓矢の名人、悪い奴を倒したこともあるんだ。ねえ聞いてる? 音楽も得意で竪琴なら任してくれ・・・って聞いてくれ。僕はなんとデルポイの神なんだ。 おい聞けよ、僕の父はゼウスだぞ!聞けったら!
最後は父の名前まで出して女心を揺さぶろうとしたが、全く効果なし。 甘い言葉で誘う余裕のなくなったアポロンはとにかく全速力で追いかけた。
もとより男(神)の足にかなうわけがなく、差はどんどん縮まっていく。とうとうダプネは父に助けを求める。
「お父様助けて!私を清らかな娘のままで一生いさせて!」
嫁に行かずにそんなことを言われていては困ったもんだが、今回は少々わけが違うらしい。なんと我が愛娘が変な男に追いかけられているではないか! そりゃそうだ。アポロンは奉公中。どう見ても神には見えない。
父はすぐさま娘に魔法をかけ、ダプネの体はみるみるうちに木の幹に変化していった。 亜麻色の髪は緑の葉に、美しい足は地面に生える根に、両腕は細い枝に。びっくりするアポロンだが、
「木でもいいや。」
とばかりに幹に抱きつきキスをする。それも拒むかのように体をしなるダプネ。落胆するアポロン
「お前を私の聖木としよう。私の竪琴、衣装すべてにお前の葉を飾ろう。いろいろな競技の英雄の頭にお前の葉の冠をささげよう。」
そういうわけで、月桂樹はアポロンの聖木になったのだった。

ところでダプネの父親説はほかにもいろいろある。アルカディアのラドン河神や ラコニアのアミュクラスとも言われている。

キュパリッソス
キュパリッソスは真っ黒な瞳をもつ背の高いきれいな少年だった。ボイオティアの豪族ミニュアス家の息子ともケオス島出身とも アミュクラスの息子とも言われている。
彼は動物が大好きで牧場生活を好み、休憩時間はアポロンと遊ぶのを日課にしていた。 また彼は自慢のペットを持っていた。それは立派な牡鹿で、ニンフたちの聖獣として扱われてもいた。
ある夏の暑い日、彼は槍の練習をしていた時にその牡鹿がたまたま水を飲みに茂みの中に入ってきた。 そうとは知らずキュパリッソスは槍を投げて偶然牡鹿に命中してしまう。 いそいで駆け寄ると、牡鹿は無惨な姿で横たわっていた。彼はそれを見て、自分の死を望む。 アポロンが急いでかけつけ慰めるが、
「永遠に愛するものの死を悼むことを望む。」
かたい決心を和らげることはできなかった。アポロンはその願いを聞き入れることにする。
「私は永遠にお前を悼もう、お前はまた永遠に人を悼んでいくがいい。そしてお前の居場所はこれからいつも墓場のそばに定めよう。」
そして「糸杉」キュパリッソスは、糸杉つまりサイプレスとなって永遠に人を悼むこととなった。

ヒュアキントス
ヒュアキントスアポロンに一途で、彼以外の言葉を聞こうとしなかった。 そんな少年にひそかに恋焦がれている1人の神がいた。それは「西風」ゼピュロスだった。 しかし彼がどれだけ愛の言葉を送ろうともヒュアキントスアポロンにばかり夢中で、 ゼピュロスのささやきは、わずらわしい言葉にしか聞こえなかった。
ある日ヒュアキントスアポロンと一緒に円盤投げ(デイスコス)に興じていたとき、 ふと嫉妬心にかられたゼピュロスが風向きを変え、ヒュアキントスの方へ円盤を方向転換させてしまった。 少年は円盤にぱっくりと額を割られ、真っ赤な鮮血が地面に流れた。そのまま地面に倒れていく。 それを見たゼピュロスは一時的な感情で行った行為に、言い様もない後悔と悲しみが一気に押し寄せた。
一方アポロンは急いで駆け寄りヒュアキントスを抱き上げる。
「お前は新しい花に変わっていつまでも私の愛を受けるがいい。」
そう嘆き悲しむと、少年の地面に落ちた血から百合に似た濃い紫の花が生まれてきた。 アポロンはそれでも思い足りず、自分の嘆きの言葉を花弁に刻みつけたのだった。 そしてヒアシンスの花は、花びらの上にいつもアイアイ(英語でAh、Ah)という文字が記されているのだ。

古い説では別にゼピュロスの愛は受けておらず、偶然の事故で地面に跳ね返った円盤が ヒュアキントスの額を割ってしまったとあリます。 またヒュアキントスに恋焦がれたのは、タミュリスという説もある。 彼はピラモンとニンフアルギオペの息子で、素晴らしい歌唱力と美貌を備えた青年である。 そしてやはり、彼がヒュアキントスを事故死に追いやったのだ。
また今のヒアシンスの花びらにはaiaiという文字が見受けられないのだが、昔はパンジーのような模様があったのでしょうか。 それとも今のヒアシンスとは違う花なのでしょうか。

ヒュアキントスはラコニアの首都スパルテから少し南へ下った古い町アミュクライの生まれで、 テュンダレオスが統治していたと思われる古都アミュクライにあるアポロン神殿の由緒はきわめて古く、 ヒュアキントスの墓もあるそうです。その墓には幼くして死んだヒュアキントスの妹 ポリュボイアの彫刻も彫られているようです。
またヒュアキントスは元々穀物の精であり、アポロン信教の到来によって乗っ取られたものらしいです。
アポロドロス説ではアミュクラスの子と言われていますが、クレイオピエロスとの子供とも言われています。 ただ古くからの伝説ではそういった記述はないので、後世に作られた設定のようです。

マルペッサ
マルペッサエウエノスの娘で、踝(くるぶし)の美しい娘であった。・・・なんじゃそりゃ。 よくわからんが、脚線美人らしい。とにかく彼女は足フェチなアポロンの目に止まる。
そしてアポロンがぼうっと眺めているうちに、イダスという男に奪略されてしまう。 ちなみに彼はアパレウスの子供だがポセイドンの子供とも言われ、 ポセイドンからもらった翼のついた戦車を所有していた。
さてイダスアポロンマルペッサに言い寄っていることは知っていたが、 この高ぶる感情を抑えることができずにマルペッサの父親に許しを請うこともせず、戦車で彼女を拉致してしまったのだ。
もちろん父親エウエノスは烈火のごとく怒りイダスを追いかけるが、 神の戦車にかなうはずもなく途中リュコルマス川で力尽きて、馬ともども命を投げてしまう。それからその川はエウエノス川と言われるようになった。
さて、アポロンとて事の成り行きを指をくわえて見ているだけではない。 颯爽とイダスのいるメッセネへ赴き、そこでアポロンイダスの激しい マルペッサ争奪戦が繰り広げられた。
「ケンカをやめてー2人を止めてー私のためにー争わないでーもうこれ以上ー。」
マルペッサ歌っている状況じゃない。イダスポセイドンの血が流れているためか神の力が備わっている。
あまりの激しさにゼウスが思わず仲裁にはいり、もっとも合理的な方法を取った。 すなわち伴侶をマルペッサ自身に決めさせたのだ。彼女はイダスを選んだ。理由は自分の老後のためだった。
「だって私が年を取ってお婆ちゃんになったらアポロン様は絶対に私を見捨てるでしょ。あなたは若い娘が好きだから。 でもイダスは人間だから、一緒に年を取って死んでいけるもの。」
どうやらポセイドンの血は永遠の命まで影響しないらしい。 まあそんなわけでアポロンはまたもやふられてしまったのである。
まるで竹内まりあと森高千里の歌の歌詞のような話でした。 ちなみにこの夫婦の間に娘クレオパトラが生まれ、彼女は英雄メレアグロスと結婚するのでした。

キュレネ
めずらしくアポロンの想いがかなった相手である。彼女はテッサリアのヒュプセウスの娘であった。 彼女は容姿も優れていたが何よりも男勝りの向こう見ずな性格をしていた。
アポロンが彼女を初めてみたのは、単身武器も持たずに獅子に立ち向かっている姿だった。 そんな女レスラーのワイルドさにアポロンは思わずZOKKON L・O・V・E!この人の好みには一貫性がない。 前回のマルペッサ争奪事件が頭の中にフィードバックし、またイダスのような邪魔者が入ったら大変だと 眠らせた彼女を早々に馬車に乗せ、遠くアフリカまで運んでしまった。もはや犯罪である。
しかし、キュレネはそんなことには動じない性格のようで、ちゃっかりその地に腰を据えてしまう。 そしてしっかりアポロンとの間にアリスタイオスをもうけた。
ちなみにこのアリスタイオスは古くからの土地神で、キュレネの連れて行かれた キュレネ市の縁起担ぎとして、土地神にアポロンの子としてギリシャ名をつけたのだそうです。

カッサンドラ
トロイア地方の首都イリオスの王プリアモスの娘で別名アレクサンドラとも呼ばれた。 ちなみに兄弟のパリスアレクサンドロスと呼ばれている。
彼女はアポロンの寵愛を受けて予言という贈り物をもらったが、アポロンを受け入れることはしなかった。 その予言でアポロンに捨てられる自分の未来を見たからか、はたまた最初から好みではなかったのか、 事実はわからないがアポロンに仕える巫女なのにおかしな娘である。
とにかくそんな態度を取る小娘にアポロン様はご立腹して、贈り物を取り上げようとした。 が、一度与えたものは取り戻すことができないのが神々の約束事だったのだ。 腹立ちまぎれにアポロンカッサンドラの予言は一切だれも耳を貸さなくなるようにしてしまった。 それ故、彼女はワケのわからない事を口走るちょっとアタマのおかしい娘として描かれることが多い。
そして、この時からカッサンドラはこの上ない悲劇的な運命を背負うことになる。 トロイア戦争で有名なあの木馬を城内に引き入れるなという警告を誰もが無視し、ギリシャ軍に攻め込まれイリオス城はとうとう落城してしまう。 命からがらアテナ神殿に逃げ込むカッサンドラはロクリスのアイアスに陵辱を受ける。 ちなみにこの非行のせいでアイアスアテナの怒りをかい、海で溺れ死ぬのだが詳しくはトロイア戦争の章で。
結局ギリシャ軍にとらわれの身となった彼女は、戦利品として総大将アガメムノンの手に渡った。 そしてミュケナイに連れてこられたカッサンドラは、王妃クリュタイムネストラアガメムノン殺害陰謀に巻き込まれてはかない最期を遂げるのだった。

クレウサ
アテナイ王エレクテウスの娘クレウサは乙女のころ、 祭りの夜にアクロポリスの北側の崖の下でアポロンの愛を受けて懐胎した子供がいる。 クレウサアポロンの愛を恥じて、生んだ子供を箱に入れて崖下の洞穴へ自分が辱めを受けたところへ棄ててしまう。 アポロンヘルメスに頼んで、デルポイの社殿の中に置き巫女に拾い上げさせた。 そして子供はイオンと名づけられ、成長すると社殿を守る役を務めた。
クレウサヘレンの子クストスと結婚したが、子供に恵まれず悩んでいた。 そして夫婦でアポロンの神託を受けにデルポイに行くことにした。 彼女はアポロンへの恨みを忘れたわけではなかったが、行方知らずの子供が気になり一緒に出向いたのだ。
夫が奥殿に入っていった後、クレウサは神殿を掃除している少年と出会う。そこで彼女はこの少年の身の上話を聞き、同情と愛が芽生えたのだった。 一方アポロンの神託を受けているクストスは巫女によってアポロンの言葉を告げられた。
「神殿を出て初めて会う者が汝の子である。」
クストスには身に覚えがあった。基本的に真面目な夫だが、昔デルポイの大祭の日に酔ったいきおいでどこかの女と一夜だけ浮気をしたことがあったのだ。
「そうか、あの女は私の子供を産んでいたのか・・・。」
勘違いをしたまま神殿を出ると、妻と話している少年を見つける。 この少年がイオンなのだが、クストスは自分の子供だと信じて疑わなかった。
「実は、かくかくしかじかで君は私の子供だ。間違いない!」
「Σ(´Д`)エーマジッスカ・・・。」
「ガーーーン!!!(|||゚Д゚)アナタに隠し子が・・・!!!」
「隠していてすまなかった。だが、これも神の思し召し。さあイオン、我々と一緒にアテナイへ帰ろう。」
「ボク、ここの奉仕の仕事のほうが好きなんですけど・・・。」
「(--)。o ○(許さないわ・・・。)」
それぞれの思いを抱いたまま、一行はアテナイヘ帰国する。 浮気の事実を知ってしまったクレウサは、これもまたアポロンの侮辱だと憤ってイオン毒殺計画を企てた。 しかしイオンクレウサの殺気に気づかないはずもなかろう。自分は不倫の子なのである。 デルポイの祭りの時にコップいっぱいに満たされた酒を渡されたイオンは不吉な予感がして、地面に液体を注ぎ込んだ。 するとそれを意地汚くなめた鳩たちが次々と死んでいったのだ。イオンはデルポイの衛士たちを引き連れ、 社殿の神聖を汚そうとしたクレウサを捉えようとするが、彼女は祭壇に逃れ助けを請う。
「お待ちください。これを見てください。」
見るに見かねた神殿の巫女が、かつてイオンが捨てられた時に入っていた箱などを持って現れた。
「その箱は・・・!」
イオンが赤子の時に入っていた箱です。あなたがお捨てになった箱です。」
「え、この人はボクの本当のお母さん!?」
「(--)。o ○(アレ、私の隠し子じゃなかったのか・・・?)」
こうして誤解は解け、改めて親子は再会を喜んだのだった。クストス、それでいいのか?
「(--)。o ○(・・・まあ、いいか。)」