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ギリシャ神話

†オリュンポス神々の伝説†
・・・オリュンポス神・・・

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ゼウス ヘラ アテナ アルテミス アフロディテ
ヘスティア アポロン ヘルメス アレス ヘパイストス
デメテル ポセイドン ディオニソス ハデス ペルセポネ
エオス レト エロス パン エリス

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デメテル 「農業の女神」 聖木=麦・けし・水仙

緑の衣装をまとう冥府の女王ペルセポネの母親。「シリアル(穀物)」の語源。けっこう感情的で自分勝手な女神である。 彼女の機嫌で農作物の収穫が左右されてしまうので滅多なことで怒らすことができない。
かわいい愛娘ペルセポネハデスに連れ去られたときもスト決行、地上の作物はすべて枯れ果てた。
困ったゼウスは妥協案を出した。
「もしペルセポネが黄泉の国の食べ物をまだ食べていなければデメテルの元に戻す」というものだ。
しかしペルセポネはざくろの実を6粒食べてしまっていた。そのため1年の半分を黄泉で暮らすという協定条件が出されたのだった。 冬になると黄泉に戻ってしまう娘を嘆いてデメテルは毎年大地を枯らしてしまう子離れのできない母親ぶりだ。 詳しくはここで。

さて、このデメテルの誕生はかなり古くから伝わるギリシアの大母神のようだ。 彼女に関する神話はあまりなく、イアシオンとの愛が歌われている程度である。詳しくは愛の神話の章で。
どちらかというと、人間を罰するイメージが強い。テッサリア領主エリュシクトンもその1人で、 デメテルの木を切り倒したがために飢餓の刑罰を受ける。詳しくは神々の刑罰の章で。

デメテルにはポセイドンという敵であり恋人であるパートナーがいる。 まるでルパンと不二子ちゃんのようですな。馬に変身して逃げるデメテルを、これまた馬に変身したポセイドンが追いかけ、 めでたく駿馬アレイオンが生まれたのだ。 またデスポイナも生まれたというが、彼女はペルセポネと同一視される場合もある。 つまり、ペルセポネの父親はゼウスではなくポセイドンだったことになるわけだが、 この逸話はギリシア神話が確立されるそうとう前の話なので父親をすりかえちゃったんでしょう。

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ポセイドン 「海の神」 聖獣=馬 聖木=松

ゼウスの2番目の兄であり、海を君臨する神。緑の衣装をまとい黒髪に黒ヒゲの風貌で三叉槍トライデントを権力の象徴とする。 すごく気まぐれで気前がいいと思いきや大層な癇癪もちで、ちょっと友達にしたくない性格。
ポセイドンはイオニア地方で根強く崇拝されており、元々は大地の神として君臨していたようです。 そこから馬が聖獣として崇められたのかもしれませんが、海の波を具象化したものだとも言われています。
彼は馬の創生者である。デメテルに迫る際、彼女の要求に応えて馬を作ったのだ。 しかし出来栄えに1人悦に入る彼はすっかりデメテルの事なんか忘れてしまう。 また馬を作るのに1週間かかったが、失敗作はラクダやシマウマやキリンなどになったそうだ。

ポセイドンは自分の領土を増やそうとアテナイに目をつけるが、アテナが海岸にオリーブの木を植えてポセイドンの宣戦布告に応戦した。 結局神々の判断でアテナが統治する方がいいだろうという結論に達し、ポセイドンはアテナイの領土を諦めたようだ。 しかしアテナイ市民が海に出るときは、ポセイドンの機嫌を損ねないように気をつけねばならなくなった。

妻のアンピトリテに求愛する際、いるかを連れていったところ彼女はすごく気に入り、イルカを星座にしてあげた。 他説では、ナクソス島で戯れていたアンピトリテポセイドンが無理やり拉致して妻にしてしまう。 どうしてもポセイドンを好きになれない彼女は、ある日アトラスまたはオケアノスの元へ 逃げてしまう。どうやっても見つけることのできないポセイドンにいるかがそっとアンピトリテの居場所を教えるのである。 その功績を称えて、ポセイドンはいるかを星座にしてやったのだという。
ポセイドンと交わった女性はゼウスに負けず劣らず多いのだが、なぜか女性はほとんど育児放棄をしている。 狂暴な彼の性格ゆえに、強姦された女性が相手をポセイドンだと思い込んだ結果なのでしょうか。 (詳しくはポセイドンの愛人の章で。)
また彼自身の性格が災いしてか、オデュッセウスと戦った一眼巨人ポリュペモスやトロイア戦争でアキレウスと 闘ったキュクノスヘラクレスに殺されたアンタイオステセウスに殺されたコリュネテスプロクルステスケルキュオンスケイロンなど(詳しくはテセウス、アテナイへ行くの章で)、 またアロアダイと言われたオリュンポスに逆らった巨人(詳しくは巨人とオリュンポス神の戦いの章で)も ポセイドンの子供と言われている。

ポセイドンアンピトリテの間にはトリトンという下半身が魚の息子がいる。 性格は穏やかでほら貝を吹いて遊んでいる。本拠地はボイオティアあたりであるらしい。後にリビュアのトリトニス湖と定められた。
トリトンには他に「深い所の波のうねり」ベンテシキュメロデという姉妹がいる。 ロデヘリオスの妻となり、彼女にちなんでロドス島の名前をつけるのだが、オケアニデスの1人という説もある。 ベンテシキュメは2人の娘を持つらしいが、詳細はわかっていない。

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ディオニソス 「酒の神」 聖獣=イルカ・ひょう・山羊 聖木=葡萄・つた・薔薇

ゼウスセメレの子で比較的新しい神。 違う宗教が融合されたのだろうが、かなり後に仲間入りをしたので12神に入っていない。 あまり目立たないヘスティアが自分の座をあげたという都合のいい説もある。
ゼウスの寵愛を受け、いろいろな悪戯にも目をつぶってもらうことが多い。祭りの大好きな明るい神である。

母親説はいろいろあるが、セメレが一般的であろう。詳しくはゼウスの愛人の章で。
セメレが死に、無事生まれたディオニソスゼウスヘルメスに預けた。 そしてヘルメスは、セメレの姉妹であるイノとその夫アタマスの元へ連れて行き 少女として育てるよう説く。ヘラの目から逃れるためだったのだが、結局ばれてしまい2人ともヘラによって気がふれてしまったのだ。 (この2人には諸説あるが、詳しくはアイオロスと子供たちの章アタマスの項で。)
その後ディオニソスゼウスにより小鹿に変身して、ニューサに住むニンフの元へ預けられた。 そしてゼウスはその功績を称えて、彼女たちを星に変えてヒュアデスと呼んだ。
ディオニソスはもともと北方トラキア方面でディオス(天神)と呼ばれていた神のようだ。 また母親は大地母神ゼメロと言われ、信仰がギリシアに入ってからセメレに変化していったのでしょう。

密教の一種であるオルフェウス教徒の神話によると、蛇に化けたゼウスペルセポネと交わり ザグレウスという神を産んだ。 ところがまたヘラがその子をティタンに渡してバラバラに引き裂き食べさせてしまったのだ。
アテナがそれに気づき急いで体を集めたが残っていたのは心臓のみであった。 ゼウスは怒ってティタンを灰にしてしまい、その灰から人間が作られた。 しかしティタンは神聖なザグレウスの肉を食べていたので、灰からできた人間も神的な要素を含んでいるらしい。
一方ゼウスはあわれな息子の心臓を飲み込んで、セメレの腹の中に転身させた。 そして産まれたのがディオニソスなのである。

ディオニソスヘラに狂わされてエジプトとシリアをさまよい歩いた。 そして最初にエジプト王プロテウスが彼を迎え入れた。 その後プリュギアのキュベラに赴き、レアによって清められ秘教の儀を学ぶ。 レアに衣装を授けられトラキアを通り急いだ。
しかしトラキアのエドノス族の王「光を遮る男」リュクルゴスに追放される。 詳しくは神々の刑罰の章で。
トラキアを通過したディオニソスはテーバイに来てそこの女たちをキタイロン山中で狂乱させた。
そしてディオニソス崇拝に反対するテーバイ王ペンテウスは、 狂乱した母アガウエによって殺されてしまった。詳しくは神々の刑罰の章で。
古都オルコメノスでも、信徒を拒んだミニュアスの娘達をコウモリに変えてしまう。 詳しくは神々の刑罰の章で。
次にディオニソスはアルゴスへ来た。そこの住人プロイトスたちが彼を敬わないのでまた女たちを狂乱させた。 詳しくは神々の刑罰の章で。
イカリアの地で、領主イカリオスに信教を教えた後(詳しくはここで。)、 今度はナクソスへ渡るために彼はテュレニア人(エトルスキ族)の海賊船を雇った。ディオニソスを良家の人間だと勘違いした海賊達は 身代金を取るために彼を拘束したが、結局イルカに変えられてしまった。詳しくは神々の刑罰の章で。
エレウテライ領主エレウテルの娘達もディオニソスを軽視したため罰を受ける。 詳しくは神々の刑罰の章で。
そして彼はやっと人々から神と認められ、黄泉から母を呼んでテュオネという名を与え、天に昇った。

このようにディオニソスの信仰はギリシアに広まるまで相当な抵抗があったようです。 秩序を重んじる伝統的な宗教維持者たちには、かなり異形かつ危険を感じたことでしょう。
ディオニソスは元々デメテルと同じく作物の神として各地で様々な名称で呼ばれていた。 バッカス、ブロミオス、イアッコス、リュアイオス、エウイオス、イユンギエス、エレレウス、レナイオス、テュオネウス・・・など。 これらの神が、ディオニソスに取って変わられたのでしょう。

数少ない彼の恋愛譚に「聖なる女」アリアドネがいる。 これもミノタウロス退治の章で述べましょう。
また従者として体はかたい毛で覆われ、頭には短い角があり山羊のような足を持つ半人半獣の森と野の精サテュロスがいる。 彼らもまた主人に似て、女と酒に目がない。

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ハデス 「黄泉の国の神」

3兄弟の長男で「富める者」または「地下」の意味を持つ。容貌は厳粛な威厳を持つ気難しい顔をしている。 彼は1度手に入れたものは絶対に離さないため、いつも富んである。 そして彼のアイテム「隠れ兜」アイドス・キュネエは、かぶると姿を消すという優れものでたびたび物語に現れる。
ハデスは普段太陽の当たらない地下(黄泉)を妃ペルセポネと共に君臨している (彼女が妃になった経緯はここで)のでオリュンポスに在住していないため、12神には含まれない。 とはいえ、デメテルの代わりに入ることもある。彼女がふさいでいる時の代打かしらん。
城壁にはケルベロスという番犬がいる。この番犬はゲリュオネスの番犬オルトスの兄弟犬であり 3つ頭で口から火を吐き、尾は1匹の蛇になっている。黄泉の国に入ってくる者には特に何もしないが出て行こうとする者には容赦しない。 1度ヘラクレスに屈した経験がある。(詳しくはここで。)

冥界の周囲には5つの川、「三途の川」ステュクス、「悲嘆」アケロン、 「号泣」コキュトス、「忘却」レテ、「燃える」ピュリプレゲトンがある。
ステュクスは神々の誓いに用いられる川で、 トロイア戦争で有名なアキレウスの体もこの川によって足のかかと以外不死身となったという能力も持っている。
アケロンは冥界に入るときに渡る川で、そこにいる渡しの役目のカロンに 銀貨1オボロスを渡さなければ100年間も岸辺で放浪しなければならなかった。そのため、死者の舌の下に銀貨をいれて葬るのである。
他3つの川は、さしたる意味を持っていない。

通常、死者はまず生前の行いについて審判を受けた。ハデス自身が審判を下すことはあまりなく、 3法官ミノスラダマンテュスアイアコスがその役目である。 アイアコスは黄泉の国の鍵を預かり、ケルベロスの世話人の役目も果たしている。
極悪重罪人の赴く場所は「地獄」タルタロスである。ここは冥界の奥底にある牢獄である。 ここの住人は、ティテュオスタンタロスシシュポスなどが有名だ。 他にもイクシオンダナオスの娘達ペイリトオス「臆病」オクノスなどもあげられる。 オクノスについては神話というよりも物語的な存在で、勤勉な男だったのだが彼の妻がどうしようもない浪費家なために 彼の稼いだ財産を片っ端から使ってしまった。それゆえにタルタロスで網を編み続けるのだが、後ろにいる雌ロバが片っ端から 食べてしまうという無限の苦労を風刺されているようです。
オリュンポス神々に幽閉されたティターン一族やギガンテスたちもタルタロスに落とされている。 しかしヘシオドスは、後に彼らもゼウスに許されてタルタロスから出してもらったと供述している。
神を激しく怒らせた者以外はアスポデロスという野原で毎日を過ごす。ここは極楽百合の咲く牧場である。 特に良いことをした者や英雄達はエリュシオンという野原で毎日宴会を行っている。 ここは3法官の一人ラダマンテュスが治めており、なぜかクロノスが最高主権者として君臨しているのだ。 クロノスゼウスによってタルタロスへ幽閉されているはずなのだが、 神話が統一されていなかったときのなごりなのでしょう。

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ペルセポネ 「娘」

娘という意味を持つデメテルゼウスの娘。
デメテルは彼女を溺愛していたが、ハデスに誘拐されてしまう。(詳しくはここで。) いきなり黄泉の国に連れてこられペルセポネは嘆き悲しんだが、 ハデスはこの娘を愛しつづけ色々な贈り物を渡した。しかし彼女は毎日今までの生活を思い出し哀しみ続けていた。
彼女の世話役に選ばれた新米の亡者は、偶然デメテルがトカゲにした男の子アスカラポスだった。 ハデスの出す料理には全く手をつけなかった彼女だが、 空腹に耐えられずアスカラポスの出したざくろの実を食べてしまう。

彼女はほかにコレとも呼ばれ、古くはペルセパッサとも呼ばれている。 ローマ神話のプロセルピナにあたり、古女神セムナイ、ハグナイ、デスポイナ、ポトニアイなどもペルセポネ (またはデメテル)と同一視されることもあり、母デメテルと同じく穀物の女神として崇められていたようです。
優しいイメージを持つペルセポネも、後世になるとハデスの妻という意識が強くなり、死の国の女王が強調されるようになった。 そのため、暗く恐ろしい形相をしたペルセポネの姿が多く見られるようになる。
そのせいか、この娘は結構現実主義な性格も出てきて、自分を愛しつづける男との生活が楽しく思えるようになる。 また拷問を見るのを楽しんだりするサドな部分もあるようだが、普段はエリュシオンで光のいらない花を愛でて楽しんだ。

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