greek
ギリシャ神話

†オリュンポス神々の伝説†
・・・その他・・・

<オリオン>
ペレキュデス説によると、オリオンポセイドンエウリュアレの息子であるが、 ガイアから生まれたという説もある。ボイオティア地方ヒュリアでは開祖のヒュリエウスが子供を授かりたいと ゼウスポセイドンヘルメスを招いた。 そこで3神は牡牛の皮の上に精液をかけて、それを地に埋めた。月日がたち、大地からオリオンが生まれたそうだ。
とにかく彼は世界きっての美男子といわれ、名狩人で動物ばかりでなく女性ハンターとしても有名であった。 彼はまずヘラと美しさを競った罪でタルタロスに投げ込まれた「柘榴」シデを妻とした。 彼女はスタピュロスの娘と言われ、「柘榴」という意味からペルセポネ=黄泉の国に結び付けられたのでしょう。

さてイオニアのキオス島には「豊かな葡萄酒造り」オイノピオンという王がいた。 オイノピオンディオニソスアリアドネの息子で初めて葡萄酒を作った人物と言われている。 オリオンはキオスに赴き、娘メロペに求婚した。あるいは狩りに来たときに、王に招待されて 娘に乱暴を働こうとした。そんな事情があって、オイノピオンオリオンにいい印象が得られなかったのか、 酒で彼を酔わせて眠っている間に両目をつぶして海岸に投げ捨ててしまった。 オリオン座は春から夏にかけて姿を消す。これは目が見えなくなったことの比喩表現らしいです。
とりあえず彼はなんとかレムノス島のヘパイストスの鍛冶場へ行き、助言を求めた。 彼はケダリオンという自分の子分を連れてきて
「こいつを肩に乗せて、太陽の昇る方向に向かうがいい。こいつはお前の道しるべになろう。」
その場に到着したオリオンは、太陽の光によって再び視力が回復した。 そして復讐のためにオイノピオンの元へ急いだが、王を慕うキオスの住民が王を守って家に閉じ込めてしまった。 またアポロドロス説ではポセイドンオイノピオンのためにヘパイストスに 頑丈な家を作らせてそこに閉じこもってしまった。なす術のなくなったオリオンは仕方なく復讐を諦めてクレタ島に戻った。

その後オリオン「曙の女神」エオスを手の内に入れた。 どちらかというとエオスの方がゾッコンだったようだ。というのも、エオスが恋多き女神になったのは アフロディテの呪いのせい。愛人アレスを寝取られた仕返しに、絶えず誰かに恋をする呪いをかけられたのだ。 そんな呪いなどなくても、エオスオリオンにメロメロだったかもしれない。なぜならレディキラーなのだから。
とにかくエオスオリオンをデロスに連れてきた。 オリオンは彼女が夜明けを告げに出かけると追いかけて楽しんだ。 エオスはいつも急いで彼の元に戻っていくため夜明けの時間が短くなってしまった。
不審に思った「月の女神」アルテミスは、銀の馬車を駆りながらエオスの城を覗きに行った。 そこにオリオンがいた。月の女神であり狩の女神でもあるアルテミスは、 狩の名人であるオリオンに少なからず関心を持つことになる。 そして、オリオンの性格上近づいてくる女性を逃す事はなかった。
彼はエオスを捨て、アルテミスと一緒になった。 だが兄アポロンは妹が男に夢中になる事実に嫉妬を覚えた。 もともとアルテミスは処女性を大事にし、すべての愛をアポロンに捧げていたからだ。
「ボクの大事な妹がヘンな男に取られるなんて許せん!ムッキー(`д´#)ノ プンスコ」
ちょっとヤバめの兄アポロンオリオンを落とし入れるためにガイアを利用する。 オリオンのせいでガイアの大地の野獣が絶滅しかけているという嘘を信じ込ませたのだ。 そこでガイアオリオンを殺すために巨大なサソリを送った。 オリオンは矢と松明と槍と斧でサソリと戦うが、このサソリの身体は人間の用いるどんな鎧にも勝る頑丈な装甲で覆われており、 オリオンの武器は全く用をなさなかった。 しかしサソリもオリオンに致命傷を与える事が出来なかった。 サソリの水嫌いを利用して、オリオンは海の中に飛び込んだのだ。
ここでアポロンの第2の計略が始まる。 彼はアルテミスを海岸へ連れていき、水の中に浮かんでいる頭を指し示した。
「あれはお前のニンフの1人を襲った野蛮な賊で、海の中に逃げ込んだのだ。」
それはオリオンの頭に他ならなかったが、アルテミスには認識できず 兄の勧めるがままに銀の弓に弦を張り、狙いたがわぬ銀の矢をつがえて放った。矢は見事オリオンの頭を貫き、彼は波間に沈んでいった。
その後、真相を知ったアルテミスオリオンを海の深みから引き上げ不滅のものとした。 星空の間で彼が好きだった狩を続けられるような場所を、天の蒼穹の中に見つけ置いてやったのである。

これはたくさんの説の1つで、オリオンの死に関する説話はまだまだたくさんある。
クレタ島に戻ったオリオンアルテミスと出会い、一緒に狩を楽しんでいたのだが
「俺は地上のあらゆる野獣を射止めてみせるぜハニー。」
というセリフにカチンと来たアルテミスが、サソリを仕込んでオリオンを殺してしまう説。
キオス島でアルテミスに手を出そうとしたために、怒った彼女に殺される説。 これはどんなに魅力的な男にもなびくことはないという、彼女の処女性を強く押し出している説です。
またアルテミスエオスオリオンの恋に嫉妬して、思わず殺してしまう説。
ワケがわからないのが、アルテミスに円盤競技を挑んだために滅ぼされた説。
他にヒュペルボレイア人(極北人)の娘オピスを犯したためにアルテミスに射られて死んだ説もある。

オリオン伝説で、もうひとつ忘れてはいけない話がある。彼はすべての女性を追い、大抵捕らえることができた。 ただ例外だったのは断固として純潔を守ろうとするアトラスの7人の娘達ヒュアデスだった。 彼女達は丘を越え野を抜け林を抜けオリオンの追跡を逃れたが、それを見ていたゼウスが 終わりのない追いかけっこを哀れに思い、彼女達を天空に移してすばる(プレアデス星団)に変えてあげたのだ。

オリオン座は今でもプレアデス星団を追いかけている。そして犬のシリウス(狼星)が彼と共に狩をし、さらにやはり星座となったサソリがはるか後ろの方に這いながら オリオンのかかとを空しくはさもうとしているのである。